ニーチェは『ツァラトゥストラはかく語りき』の中で、”神は死んだ!”と宣言をします。これは、長い間西洋文明において信じられてきた、キリスト教や、ソクラテス以降の哲学や道徳を背後で支えてきた思想の”死”を意味していました。絶対と思われてきた、”神”のステータスが、今まさに崩れ落ちようとしております。

今年の大学生の就職希望ランキングを見てみますと、銀行の人気ぶりは盤石です。特に都市銀行への就職希望者は多く、ある統計によるとベスト10の中に3行が入っております。今も昔も、銀行への”信頼”が厚いことを証明しているものと思われます。
そのような中で、巷では、フィンテックが叫ばれており、金融の世界も変化が求められており、これまでの金貸し業を継続しているだけでは、商売ができなくなっているのも事実です。フィンテックとは、「finance(ファイナンス)」と「technology(テクノロジー)」を合わせた造語で、ファイナンス・テクノロジーの略です。金融の世界に、ITを革新的に組み込むことで、既存の金融機関が持つ総合的な金融サービスのうち、顧客が必要とする一部の機能のみに特化することで、低コストでサービスをおこなうことです。
このフィンテックにはお金とIT知識が必要です。金融機関だけでは対応ができませんので、多くの都銀は、ITベンチャー企業などに資金を提供することで、そのIT技術や人材を取り込み、金融機関の仕組み自体を変革させようとしております。かつての、お役所的な体質の銀行業から、大きく変革をしようとしております。


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