「働き方改革」この文字が踊っている。

まるですべての課題解決につながる、特効薬が見つかったかのように、「働き方改革」を絶唱している。
私自身、昨今の現象に違和感を感じており、「何か違うんじゃないかな?」と常に思っていた。

サイボウズが、「異議あり!」と唱えたことで、私自身も発言してもいいのか・・・・とそのように感じ、今回の記事を書くことにしました。

まずは、サイボウズのお詫びと動画を見てください。動画は3本で約8分となります。
サイボウズの新聞広告「働き方改革に関するお詫び」が ... - キャリコネニュース


働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。|サイボウズ アニメ『アリキリ

サイボウズはお詫びの中で
「楽しいか楽しくないかが指標になるべき」と指摘しております。
現在政府のまとめている「働き方改革」は面白くないし、楽しくないし、本筋から外れ各論を積み上げている、言葉遊びのように感じてなりません。

まずは、政府の唱える「働き方改革」について、背景に触れながら目的や取り組みについて説明をしたいと思います。
少子高齢化が深刻となり、2016年は年間出生数が100万人を切りました。これはここ100年来の統計上初めてのことです。出生数の推移を見たら、この深刻さがわかります。

政府は何とか出生数を増やし、働き手を維持し、生産人口を維持することを目的として、以下の三つの対応策を提示しております。
①働き手を増やす(労働市場に参加していない女性や高齢者)
②出生率を上げて将来の働き手を増やす
③労働生産性を上げる
そして、これらを解決するために3つの課題を挙げております
A 長時間労働
B 非正規と正社員の格差是正
C 労働力不足(高齢者の就労促進)

政府は課題として挙げた、3つを解決することで、先の対応策が解決のほうに進み「働き方改革」が推進される、このように言っているように思われます。
大学の先生や専門家の先生方が知恵集めて議論をして結論が、政府の提示している「働き方改革」の中身だと思われますが、私には違和感がすごくあります。

A 長時間労働について
恐らく政府は「長時間労働はけしからん」と言っているのは、労働生産性がOECD加盟国22位/35か国。主要国の中では最下位となっている、だから”長時間労働はけしからん”と言っているように思います。
確かに、統計的な数字として、長時間残業をした人の中から過労死や自殺者が出たり、うつになったりと事件や病気などが発生していることは事実です。しかし、自殺になる背景はパワハラなどが有ったと思いますし、自殺するくらいなら会社を辞めればよいだけです。過労死して死ぬくらいなら、その前に有給休暇をもらえばよいのです。統計的な労働生産性の数字を高くするための、その理由として、後付けで過労死や自殺、うつなどの問題を提示しているように思えてなりません。
長時間労働は”悪”なのでしょうか?どうしてかつは”モーレツ社員”を評価していたのが、これを否定しなければならないのでしょうか?
例えば、研究者の仕事は定時内だけですべて完了するものとは到底思えません。何日も何か月も何年もかかって、成果が出せるかどうかわからないが、黙々と研究に携わっている人が多いと思います。これらの人たちは、強制的にやむを得ずに研究をおこなっているのでしょうか?恐らく違うと思います、”楽しくて楽しくて”たまらないから、この仕事を選択して、現在取り組んでいるのだと思います。
働くことが「悪」であるのであれば、長時間労働が、過労死や自殺の原因として長時間労働を是正すべきであると思いますが、仕事そのものが自身の目的である場合も十分にありうると思います。
長時間労働を是正するための一案としては、殆どの職業において、裁量労働制を採用して、「残業代」そのものが無い体制にすべきであると思います。
管理職以外の人は、毎月に給料の中の「残業代」がささやかであっても、有ることは嬉しいものです。「残業代が無くなると、生活できない」このような人もいると思います。そのためには、給料を現在の1.5倍などに一気に上げてしまえばよいと思います。これで残業代を気にせずに、少しでも早く家に帰れるようになり、結果として、長時間労働が是正される方向に進むと思います。
仕事が好きで好きで、残業代が付かなくても、深夜まで仕事をする人が出てくるかもしれませんが、基本的には毎月の給料にプラスが付くことがありません。当然、定時以降の労働はあくまでも自己研鑽であり勉強であり、労働時間に加算されません。もし、他人よりも極めて品質が高く、多くの仕事をした人がいれば、その成果をもって、ボーナスや昇進で反映させれば良いと思います。
高度経済成長期の日本の発展を支えてきたのは、”モーレツ社員”達の働きによってなすことができました。どうしても、研究や勉強、仕事をしたい人を、止めさせる必要はないと思います。
ただし、定時以降の労働を”仕事ではない”を決めてしまうと、実質サービス残業となる恐れがありますので、モニタリングをおこない、半年ごとなどに仕事のやり方などを見直す必要はあると思います。

B 非正規と正社員の格差是正 について
先ほど、”裁量労働制を採用し、残業代を廃止すべき”と提案しました。
これは時間単位での労働をなくし、成果に応じて給与を支払うことに通じます。そのような意味では、時間で働いている、パートやアルバイトには合っておりません。
政府は「同一労働同一賃金」と、これを実施すべきと主張しており、それはそれで正しいと思いますが、会社が受け取るパイが同じとして場合、非正規社員の賃金を上げるということは、正社員の賃金は下げるか、現状維持を何年も続ける、これらの対応をとる以外にありません。
子育て中の女性など、どうしてもパートや派遣、アルバイトなど非正規でしか働けない人もいます、中には”責任を負わなくてよい””フリーでいられる”このような理由で、非正規で働くことを希望している方もいると思います。だから非正規としての働く場もあるべきであると思いますが、大抵の場合は非正規の人は「正社員になりたい」と思っていると思います。
非正規の割合は年々増えており、現在4割を超えています。女性に至っては、58%を超えています。何故、ここまで非正規が増えたかという理由は、会社が「短期的な利益を求め、忙しい時だけ安い価格でた使える便利な人」このような人材を求め、人件費の圧縮を進めているからにほかなりません。
もし、非正規を減らすためには会社が「正社員しか採用しない」これを徹底すればよい、それだけです。
かつて、私の職場のトップが言っていました。「世の中、派遣だパートだアルバイトだ、と直ぐに正社員以外を入れたがるは、自分は絶対に正社員しか採用しない。多少が人件費が高くなっても、”非正規だから給料が少ない””正社員にしてあげないとかわいそう”など、そのような差別のことが起こってはいけない」とはっきり言ってました。
人を育てる、採用したその日と人生を一緒に歩む、そのような覚悟で会社が取り組めば、”非正規で人件費を圧縮する”このような、姑息な手段をとれないと思います。
政府としては、「原則正社員を採用しない」これを徹底することが必要だと思います。
”責任を回避したい、自由でいたい”このような人がいる以上、非正規労働は残るかもしれません。

C 労働力不足(高齢者の就労促進) について
労働力不足解消はロボットやAIの活用により、そこまで深刻にはならないと思います。しかし、直ぐに全面的に切り替わるわけではありませんので、移行期間においては、労働者不足が発生すると思います。
これから20~30年後には、既に存在しない職業もかなり発生していると思います。それでも次世代にひつような職業や求められるスキルがあると思いますので、これに向けて人を育てて行かなければなりません。
日本の最大の弱点の一つは、創業率の低さです。赤字垂れ流しをしている企業が、補助金や助成金、銀行の債権放棄などで守られ、新陳代謝が進んでいません。今後は、企業の新陳代謝を促進して、労働力の流動化を進めていかなければなりません。特に大企業で、有能な人材が生かされず、眠っているケースも多く、これらの人が創業の際に多くの恩恵が受けられるような税制などの対応も必要だと思います。
今後、年金不足などにより、高齢者の就労希望者が増えると思います。「継続雇用延長・定年延長の支援」「高齢者のマッチング支援」などはますます重要になると思います。これらの高齢者を受け入れる職場や職種は今後増えてくると思います。このあたりにも、ビジネスチャンスがありそうです。
結婚後、子育て中も女性が働ける環境の充実も大切です。

政府の掲げる3つの課題(長時間労働、非正規と正社員の格差是正、高齢者の就労促進)について、
私なりの提案を出してみました。
これらによって、
①働き手を増やす(労働市場に参加していない女性や高齢者)
②出生率を上げて将来の働き手を増やす
③労働生産性を上げる
これらは解決に向かって、進んでいくのでしょうか?
①②③の中で、一番重要であり、待ったなしの対策が求められるのが、「②出生率を上げる」であると思います。
政府は
・早く家に帰り、有給消化を促進すれば → 子供が増える
・非正規社員の給料を上げれば     → 子供が増える
・保育園や幼稚園などを充実させれば  → 子供が増える
このように考えているのでしょうか?
恐れく、成果は出ないのではないかと推測されます。

子供を増やした目には、40~50代以上の大人たちが慌てても、子供は増えません。
是非とも教育の場で自由学習や、ディベートの時間などで
「現在の日本の重要課題である”少子高齢化問題”」を議論される場を設けて欲しいと思います。
小学校、中学校、高校と、必ず1回は、この問題を考える場を設けたら、子供たちは、深刻な少子高齢化問題を意識して、その解消に向けての行動をすると考えられます。
教育の場で、「結婚や家族、子供の数などを議論することはけしからん」と非難する人もいるかもしれません。しかし、もうどうしようまないところも、少子化問題は進んでいます。せめて若い世代に意識してもらい、行動することなしには、解決できないと思います。

また、日本国内での婚外子率は2%程度で世界でも最低レベルです。すなわち、殆ど人が結婚して子供を産んでいることがわかります。結婚しても、女性の年齢が40代では、例え産めても一人程度です。
できるだけ、20代に一人は産むように、そのためには、26~27歳くらいまでに結婚することで、メリットを得有れるような、補助や給付金などを設置することで、若くして子供を産むことで有利になるようにすべきです。
1980年代以降、女性の社会進出が進み、婚姻率が下がり、出生数が大きく下がっております。
女性の労働力を期待する政府の動きは結果として、少子化を促進している結果につながていると思います。
女性の社会進出の増加は、男女間の激しい過当競争を生み、その競争で敗れた男たちは給料が下げられ社会的に弱い立場になり、競争で勝ち残った多くの女性たちは結婚をあきらめ一人で生きる道を選んでいるケースが多いと思います。
弁護士、会計士、税理士、医師など多くの女性たちは結婚していませんが、これらの職業の男性は9割以上結婚しています。
ここに、ミスマッチが発生しています。
女性にキャリアや社会進出こそが、「高い価値であり補修につながる」と、男性社会の価値観を信じ込ませたがために、このようなミスマッチが発生しています。
ダーウィンは「変化するものが生き残る」と唱えております、男女においては今西錦司の、棲み分理論(戦略)こそが、今後の成功道の一つであると思います。
男女が棲み分けて、お互いがお互いが必要になれば、婚姻率は上がり出生数も増えるでしょう。
男女間を競わせる現状のあり方は、お互いを摩耗しすり減らしながら、弱体化に進むだけです。

サイボウズの動画では
「長時間労働をしないために会社を出てカフェで仕事している」
「キリギリスは働くことの大切さを理解したが、やっぱりこれまでの生き方が自分らしい生き方であることに気付く」
「世の中女性活躍だとやたらに社外取締役などに名前を並べるが、何も変わっていない」
「男性の育休が至上命令となっているが、これは社員のためではなく、社外に向けての体裁となっている」
多くの矛盾をはらんでいる、これが政府の掲げる「働き方改革」ではないでしょうか?

政府は、もろもろの目標を掲げているが、政府の掲げた「同一労働同一賃金」などを実現することが最終的な目標となり、根本的な少子化問題などは、何も解決しないのではないかと思います。

何か変だよ「働き方改革」。



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