大東亜戦争の終盤を迎える少し前の1943年、まだ多くの日本人は、いつか吹くであろう神風を信じて、この大戦での勝利を確信していたに違いない。そんな時に、太宰治「右大臣実朝」は記された。

右大臣実朝とは、鎌倉幕府第3代征夷将軍であった”源 実朝”のことを示している。
実朝は、鎌倉幕府第1代征夷将軍であった、源頼朝の第4子として産まれ、母は北条政子である。この当時は、執権である北条家を中心とした権謀術数の世の中で、源家も、この駆け引きの中で、少しずつその勢力を奪われ、実朝は28歳で暗殺され、源家最後の源氏将軍となってしまう。

そんな実朝に12歳の頃から仕え、実朝没後出家したかつての近習「私」が、死から20年経った時点から、実朝について回想しつつ語る作品こそが「右大臣実朝」である。

後に、吉本隆明が、”実朝”を取り上げた太宰治と小林秀雄について、
「二人の<心の中にある暗さ>、つまり戦争の中で意識した無常感<実朝的なもの>を書きたかっただけなのではないか、と疑問を抱いたから」と述べている。

”アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。”

この一文が、太宰治「右大臣実朝」の中に記されている。

米朝の緊張は日に日に増し、ついに戦争が勃発するリスクが増大している。
多くのマスコミは、視聴率や雑誌の販売数を増やすことに熱心で、ひたすら芸能人のゴシップ(離婚や浮気)ばかりを追いかけているようで、能天気そのものだ。
国民に不安を与えたくない、明るい未来を描きたい、そのような心理が働き、あえて戦争の恐怖や薄暗い未来に関する記事を避けて作成しているようにさえ思われる。

現代の戦争は、大東亜戦争や朝鮮戦争の時のように、市民を巻き込んだ大規模な戦争にはなりにくいと一般的には言われている。
遠隔地より数発のミサイクルを標的をめがけて発射し、短期間で勝敗が決まると予想さしている人が多いようです。もし、そうなれば世界最大最強の米国軍が短期間で勝利を収めると思いますが。ベトナム戦争で米軍が苦戦したように、最終的には予想外の展開に陥る可能性もないとは言えません。

グアムを狙われているといわれておりますが、日本国内の原発にミサイルが落ちたり、北朝鮮からグアムへの途中に位置する日本国内の場所に落ちることだったてありえます。
現在は、弾道弾迎撃ミサイルで、北朝鮮のミサイルを打ち落とすことになっていますが、これが失敗することだって十分に考えられます。

大東亜戦争時に、日本国内で空襲がおこなわれた当時は、いかにして自分や家族の命を守るか、この防衛に最大限の注意を払われたといいます。
しかし、現代の戦争では、防空壕に逃げ込むなどの運用ルールの徹底や避難訓練をおこなっても、大きな成果は得られない可能性があります。原発より30km圏内に住んでいる人などは、原発にミサイルが撃ち込まれた時点で命は助からない可能性が高いです。

恐らく我々にできることは、戦時中及び戦後の、現金・金・株式・外貨預金・土地などの経済的価値の動きを予想して、それに備えることしかできないのではないだろうか?
以下に、それぞれの資産に対する動きを予想したいと思います。

<現金について>
戦争によって、社会インフラは破壊され、ATMが停止して銀行の口座引き落としができなくなる可能性があります。クレジットカードについても利用できなくなる可能性が高いです。インフラ破壊はハード的なものに限定されず、ウイルス中心とした、インターネット環境のテロなどで、情報インフラも徹底的に破壊されるリスクがあります。
最近、家庭用の金庫の売り上げがかなり伸びているようです。一つは日銀のマイナス金利などで、銀行預金の低金利で魅力を失っていることと関係があるといわれておりますが、マイナンバーの導入も多少なり影響があると思います。
現金は多くの額を持ち歩くことはできません。また、先の戦争では戦後に物価が500倍に上がるハイパーインフレが起き、持っていた現金の価値は大きく下がってしまい、紙くず同然になった例があります。

<金について>
”有事の金”の言葉が示すように、金は戦争などの影響で世界的に貨幣の価値が大きく下がった場合に、高騰する可能性があります。ただし、金の延べ棒を沢山持ち歩くこともできず利用が限定される。
イラク戦争では対して金価格は高騰しなかったが、リーマンショックでは、一時的には金価格は下がったがその後米ドル下落、金価格高騰になっているケースもあります。
金は金利が一円もつきません。しかし、その一方で、それ自体に価値があるのでハイパーインフレ時に価値が下落することを避けることができます。

<株式について>
先の大戦では、戦時中も株価は比較的安定していたようです。これは政府が株価を買い支え安定させていたとの情報があります。
また、軍需関連企業の株価は堅調に上昇していることが多かったようです。日本は地政学リスクがありますが、米国はこのリスクが低いので、米国の軍需関連企業のほうが上値を見込めると考えられます。株式の価格は、戦況によって上下することが多く、最終的な勝敗によって、暴騰か暴落が発生する可能性があります。

<外貨預金について>
2003年のイラク戦争の時、日本へ被害が殆ど想定されなかったこともあり、円高になりました。
今回は、日本韓国の地政学リスクが高く、これらは売られると予想されます。
米国の圧倒的な軍事力の前に、北朝鮮はひとたまりもないとの予想もあります、それであればドルを買うことで為替リスクを回避できると考えられます。
ただし、米国が北朝鮮を倒すことが実現すると、韓国主導の統一国家が誕生することが予想されます。そうなると困るのは中国です。
朝鮮戦争の時のように、途中より中国人民解放軍の参戦することとなると、予想が困難になります。北朝鮮と中国は対立しているように見えますが、中国国境に米国傘下の国が誕生することを最後まで妨害する可能性があります。朝鮮戦争当時の中国と違って、現代の中国はかなりの力があります。戦局は中国の動き次第で、予想困難です。

<土地について>
1945年以降戦後の混乱時に、所有者不明の土地を多く買い占めた人たちが、その後の土地長者となり大きな経済力を持つことができました。これは、日本全土が焼け野が原になるという、悲惨な戦災があったからこそ実現された土地神話だと思われます。仮に、米朝激突で戦争が起き日本も被害を受けたとしても、土地が値上がり過ぎるとは限りません。
ただし、日本は平地が少なく、土地バブルが起きやすい環境にありますので、余裕があれば土地を所有しても良いのかもしれないと思われます。


小林秀雄は実朝の歌について
「彼の歌は、彼の天稟の開放に他ならず、言葉は、殆ど後からそれに追い縋る様に見える。その叫びは悲しいが、訴えるのでもなく求めるのでもない。感傷もなく、邪念も交えず透き通っている。決して世間というものに馴れ合おうとしない天稟が、同じ形で現れ、又消える。彼のような歌人の仕事に発展も過程も考え難い。彼は常に何かを待ち望み、突然これを得ては、又突然これを失う様である。」
このように述べている。
吉本隆明は”ニヒリズム”という言葉で、実朝の歌を説明している。

太宰治「右大臣実朝」、小林秀雄「実朝」ともに昭和18年に記されている。
これから始まる悲惨な最期を知っているかのように、実朝は歌を作成し続けた。
”アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ”と実朝を通じて語った、太宰も2年後の日本の姿を、見通していたのかもしれない。
最後に、晩年の実朝の心境を表わす歌を紹介したい

おほ海の磯もとゞろによする波われてくだけてさけて散るかも



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