週刊ダイヤモンド2017/6/24号では「不動産投資の甘い罠」が特集として組まれております。不動産にまつわる、業者などとのトラブルや、安易な投資が危険であることが指摘されております。

今、何故不動産投資が増えているのでしょうか?
①日本銀行による超低金利政策。行き場を失ったマネーが不動産市場に流れ、不動産価格を上げ、キャピタルゲイン狙いの投資が増えた
②預貸率低下に苦しみ銀行をはじめとした金融機関は、低金利で運用難に陥り、担保を取りやすい不動産への融資姿勢を強めている
③2015年1月の相続税増税。基礎控除が4割減となり、相続税課税対象者が倍増。相続税の節税効果の高い不動産投資がブーム。
このような流れがある。確かに2015年以降のアパート融資残高の推移は急増している。
その一方で、アパートの空室率が急増しており、人口が確実に減ると予想される日本において、昨今のアパート、マンション棟の建設ブームは、近い将来ブーメランとなり戻ってきて、大きな社会問題になることが予想されます。

副業としての不動産投資
「相続の節税効果がある」
との不動産業者の甘い罠で、大きな借金だけが残るケースも多いようです。
今回は、相続の件は置いておいて、「副業としての不動産投資」についてみてみたいと思います。

サラリーマンの多くの人は
「仕事である程度の給料をもらいながら、仕事に支障がない範囲で、副業で小遣い稼ぎができれば」
と思っている人が多いと思います。
株式の売買となると、その売買タイミングに由りますが、デイトレーダーなど、到底会社務めで継続することは困難です。常に株を気にしなければなりません。
その点、不動産であれば、金額の変化も緩やかであり、会社勤めと並行しておこなっても、そこまで負担なく継続することができそうな副業スタイルが確立できそうです。
しかし、多くのトラブルが発生しております。その実態を見てみましょう。

シノケンアパート経営
「土地が無くても、頭金が無くても、アパート経営ができる」
このようなテレビCMを見たことは無いだろうか?
シノケンは福岡に本社を置き、”個人へのアパート経営を支援”しているJQ上場企業で、4年間で約4倍の売上高を上げており、業績好調の成長企業である。
この企業の営業手法は、
1.セミナーに呼び込む
2.堅実なアパート経営の実現を提案
3.情報の流出の徹底排除。他セミナー参加者との交流禁止
4.セミナー後の個人徹底アプローチとフォロー
シノケン担当者が徹底フォローすることで、頭金が無い人も不動産がない人・ノウハウや知識がない人に安心を与え、軽い気持ちで副業感覚でのスタートできることを理解してもらう。
その内容は
・35年間満室が続き
・家賃は維持され
・修理は一度も発生しない(修繕積立金なし)
その結果、1億円の銀行融資で毎月5万円の利益
かなり設定に無理がありすぎる。
それでも、契約するときはバラ色の夢を見ているに違いない、サラリーマンをしながら何もしなくてもコンスタントに毎月5万円の収入が得られる、もう1棟建てれば、月に10万円となる。

3000万円から始められる新築都会のワンルームマンション投資
こちらの案件は都会に住む20~40代若い女性がターゲットにされていることが多いようである。
「年間収支はトントンでローン返済後はお客様の資産になります」が殺し文句で、この商品を契約してトラブルになっているケースが多いようである。
業者の設定している資産計画にかなり無理があり、退去者が出た後のリフォームについても「敷金から支出のためオーナーの負担はない」など、現実離れしている提案が多い・ここでも家賃の減額や空き部屋のリスクを考えるとかなりリスクがある。

これら以外でも「危険な中古マンション投資」が取り上げれているが、低収入層をターゲットにして、銀行から借金をさせて、マンションを売りつける手法は上記の2つと同じである。
それでは、全ての人が被害にあっているのか?
今度は成功者の例を見てみよう。

勝ち組投資家への道
43歳サラリーマンの成功事例が載っている。
この方の成功は自ら学び、自ら動き、自ら意思決定をしてフィールド広げているのがよくわかる。
時には、専門家である1級建築士にお金を払い教えを請うたり、常に勉強をして、自らチャンスを取りに行っているのがよくわかる。シノケンの説明会に参加した、”受け身”の契約書とは大きな違いである。
また、投資を始めたタイミング、超優良企業に勤務して年収1000万円以上と属性の良さも目に付く。

医師である不動産投資家の例でも、損失物件を掴まされながらも、猛勉強の結果大きな利益を得ている。

勝ち組になるための4つの条件
①お金、建築の知識、人間関係作りのうちどれか一つに秀でている
②不動産価格が安い時に始める   → 今は高値圏であり少し待ったほうが良いかもしれません
③金融機関に認められる人になる
④投資の手段と目的を明確にする

株でも不動産でも、最終的には自分で考えて行動した人が勝ち組になります。
不動産の場合は、大きな額の融資が前提になるケースが多いので、自分自身でしっかり勉強して、投資タイミングを見計らって始めるのが良さそうです。



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