国連の「世界人口白書」によると、2011年10月31日に人類の人口が70億人を超えたと記されております。また、国連及びアメリカ国勢調査の評価・推計によると、世界の人口は増加を続け、平均推計値はで2100年までは人口増加を続け、人口は100億人を超えると予想されております。世界的には、今後ますます人口が増え食糧問題が社会的な課題としてクローズアップされると思います。最新の日経ビジネスにおいても「第4次「食」革命」が特集されており、昆虫食の可能性なども指摘されておりました。

これに対して日本はどうでしょうか?
2016年秋に実施された国勢調査の結果が10月頃には公開されるとは思いますが、世界でもっとも深刻な少子高齢化社会が進行しております。
世界の人口が増える一方で、日本の人口は減り、人口に占める高齢者の割合がますます大きくなっております。
「日本の医療が優秀だから、長生きできるだけで問題ないではないか!」
このようなことをおっしゃる人がいるかもしれませんが、実はそれだけではないのです。
一番大きな問題は「子供が産まれないこと!」このことに尽きるように思います。


厚生労働省の発表する人口動態統計によると、戦後の第一次ベビーブーム(1947-1949)には250万人、第二次ベビーブーム(19717-1974)には200万人の新生児が、1年間で日本国内で産まれました、そして2016年には、ついに年間100万人を割り込んでしまいました。

日本以外の先進国も、実は人口が増加しない問題で悩んでおります。
「米国は移民を受け入れた」「フランスは婚外子など事実婚を認める」など、各国様々な形で、少子化問題を乗り越えようとしております。
しかし、単一民族で2000年以上国家をなしてきた島国日本において、「移民政策」はハードルが高すぎで、受け入れることが困難であると思います。朝鮮戦争の歳に100万人近い朝鮮人が日本に流れてきました。これらの人たちと日本人はうまく共生できているでしょうか?やはり、DNAに刻まれた、各々の民族の血には、簡単には超えられない、ハードルが存在しており、強制的に移民政策を実施したら、取り返しのつかないことになると予想されます。
フランス式の婚外子OKの社会は、伝統的な「結婚制度の否定」につながります。子供を産みさえすれば、全てが許されるような社会となり、現在のような、夫婦や家族の絆は希薄化して、「子育ては社会に任せる」など、親子間の愛情のない、社会になりそうで怖いです。

日本の場合は、結婚して子供をもうけるのが社会の常識のようになっております、婚外子の比率は約2%と言われております(一方、フランスではこの比率が50%を超えているようです)

日本の出生数の推移のグラフを見てみると、1972~1973年くらいをピークにその後急激に出生数が減っております。1995年ころ少しだけ出生数が増加しますが、これは第二次ベビーブームの人たちが産んだのだと思われます。
一方、婚姻数の推移では、1970年くらいを頂点に1987年くらいまでに緩やかに人口が減っております。
出生数に比べ、婚姻数のグラフが緩やかに減少しているのは、結婚後の子供の数が減っているからだと思います。
婚姻数はその後、少し持ち直し2000年くらいまで数が増えておりますが、その後毎年婚姻数は減り、これに伴い、出生数も減っております。

日本の人口問題を解決るためには、1972~1995年くらいまでにおこなれたは社会制度の改革などを見直し、その部分にメスを入れる、これ以外に方法はないと思います。
この時代の特徴の一つは、「ウーマンリブ」「男女同権」「雇用機会均等法」などが盛んに叫ばれて、女性の社会進出が図られた時代です。
現代のような少子高齢化社会で、女性の労働力活用は、ある意味常識であり、やらなければ社会が回らない状況ではありますが、「1972~1995年」この時代においては、かなり見える風景が異なると思います。

少子高齢化社会が進み深刻化する中で、「女性が強くなり。男性が弱くなった」このようなコメントもいろいろなとことで出ております。
かつては、”男性が大黒柱でとなり一家の家計を一人で支える”これが普通でしたが、いつの間にやら、男性の給料も少なくなり、一人で支えることが難しくなり、妻の力を借りざるを得ない状況になっている、これが現実であると思います。

教育費用の高騰などで、妻の外で働くことが前提のようになりつつあります。
一方、結婚を希望する男女割合は、大きく減っているわけではありませんが、結婚難民が増え、いよいよ結婚が「贅沢の極み」のようになりつつあり、諦めている人も多いでしょう。

「少子高齢化を何とかしなければ、日本の未来が危ない。夫婦でもう一人頑張ろう!」
と妻にお願いしました。
「もう少し給料をもらってきてから言いなさい」
このように却下されてしまいました。

理想と現実は大きく異なるようです。


社会・経済ランキング

クリックのご協力をよろしくお願いします
スポンサードリンク