ある時、ロバを飼っている父と息子が、ロバを売るために市場に向かいしました。

ロバを引いて二人で歩いていると、それを見てある人が言いました
「せっかくロバがいるのに乗らないで歩かせているなんて、もったいないことだ」
そこで、父親は息子をロバに乗せて、歩きました。
しばらくすると、別の人が言いました
「元気な若者が楽をして親を歩かせるなんてひどいじゃないか」
そこで、今度は父親がロバに乗り息子を歩かせてロバを引きました
しばらくすると、また別の人が言いました
「親だけが楽をして、息子を歩かせるなんてひどいじゃないか。二人ともロバに乗ればいいのに」
そこで、二人ともロバに乗り歩き出しました
すると今度は別の人が
「二人乗るなんてロバが重くてかわいそうじゃないか!」
そこで二人は、どうしたらロバが楽になるかを考えて、一本の棒をロバの足を括り付けて二人で担いで歩きました。
不自然な格好でロバが暴れだし、不運にもちょうど橋の上だったので、ロバは川に流されてしまい、1円も収入を得ることができませんでした。


多くの親たちが、自分の子供を少しでも条件の良い学校に進学させたいと考え、塾や家庭教師、通信教育などに多くの教育費をかけてます。
さらに大学ともなれば、学費だけでも年間100万円を超え、もろもろの生活費を含めると1年間で1000万円以上のお金がかかるケースも十分あり得ます。
それでも、親たちは「少しでも良い学校へ」とせっせとお金をつぎ込んでいます。
”きっと、これこそが親の努めであり、子供の幸せにつながっている”と信じているからです。
”子供の幸せ”は、良い学校を卒業し、一部上場企業などの優良企業に勤め、経済的に豊かに、家族を持ち栄えることをイメージしているのではないでしょうか?
その”幸せ”を勝ち取るためにはと、奨学金や教育ローンを利用してでも大学を卒業したいと考えているのでしょう。

一般的に、「大卒が高卒よりも生涯年収が多い」と考えられていますが、これは特定の企業に生涯勤め、企業内で比較した、極めて限られた世界の話です。
統計データを見てみますと、単純に「高卒と大卒の生涯年収の平均値を比較」したら、大卒が高くなりますが、企業規模や業界、企業単位で、年収は全く異なり、よって「大卒のほうが生涯年収が高い」この、当たり前と思っていたことが、当てはまらないケースが多々発生します。
よって、表題の
「高卒が大卒より生涯賃金が高い!」
これが成り立ってしまいます。

少子化が進み、大学全入時代になり、大卒の存在価値が年々下がってきているように思います。親の収入が伸び悩むなか、学費高騰が続き、”国立大学の授業料も20数年間で35%も上がっている”このようなデータもあります。「高等教育の機会均等の確保」このような目的で設立された国立大学も、その役割を果たせていないと思われます。
高卒のほうが生涯年収が高いのであれば、奨学金やローンを借りてまで、”大学進学をする必要はあるのか?!大卒の価値はあるのか?”、改めて考えることも必要でしょう。

ロバを川に流してしまった親子は、その時々の忠告に従い、適切な対応を行い、ベストな対応をおこなったはずです。それなのに、最後は残念な結果になりました。
小学校、中学校、高校、大学、就職と人生において何度も、立ち止まり人の意見を聞きながら、岐路に立ち判断を迫られることがあるでしょう。その時に、親がどれくらい多くの情報を持ち、その上で子供たちを適正な方向に導けるかどうかは極めて重要なことです。

判断は時には誤ることはあるでしょう。
しかし、多く集めた情報は、いろいろなチャンスを子供たちに与え、より有利な道へと子供たちを誘えるかもしれない可能性を増やします。

「企業別年収ランキング」「業界別年収ランキング」「職業別年収ランキング」「資格別年収ランキング」
などを見ると、どのような業界や資格でどの程度稼げるかがわかります。
また、今後はAIを通じで仕事そのものが変わっていきます。その時に、なくなる職業や衰退する産業もあるでしょう。逆にビジネスチャンスの増える業界や職業もあるでしょう。
こどもはイメージだけで、将来の職業を考えますが、それだけは不幸な結果に陥る可能性も十分あります。
経済的原理については、事細かく説明する必要はないと思いますが、子供たちが有利になる方向への導くのは親の役割であると思います。

ロバを川に流してしまわないように、自分自身をしっかりと持ち他人の言葉に流されずに、市場までたどり着きたいものです。


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