我が家の今一番の話題は「仮面ライダーポッピー」です。幼稚園児の息子と小学2年生の娘が、「ポッピーが、ポッピーが」と興奮ぎみに話しをします。

「仮面ライダーポッピー」とは、仮面ライダーエグゼイドに、新たに登場する仮面ライダーで、女性の仮面ライダーです。4月2日以降に登場する予定であり、まだ誰もその姿や位置付けを正確に確認できていません。
仮面ライダーポッピーはヒロインであるポッピーピポパポが変身し、なんと敵になるとの噂です。


仮面ライダーの歴史においては、必ず主人公とヒロインのパートナー(恋人など)が登場します。女性の仮面ライダーは数名いましたが、ヒロインが仮面ライダーに変身するのは、仮面ライダーキバの仮面ライダーイクサ以来2人目です。

小学生の娘の話によると、「弟やお兄ちゃんがいる人は仮面ライダーを観てる人が多い」とのことです。
テレビ朝日系の日曜日朝のテレビは、7時30分「戦隊モノ」、8時「仮面ライダー」、8時30分「プリキュア」とここ十数年はこの流れで番組が組まれています。

かつて娘はプリキュアにははまっていました。小学1年生頃からプリキュアは観なくなりました、どうしてかと聞くと「少女チックで幼稚な感じがして、面白くない」とのことです。
プリキュアとは、中学2年生の少女たち(2人~6名)が、変身して愛・友情・正義・信頼の名のもとに力を合わせて、戦うアニメです。少女たちは「絶対に諦めない」と最後まで戦い続け、最後に巨大な悪の組織を倒すという、決まり決まったストーリーがあります。
このお決まりのストーリーに飽きてしまったようです。

一方、戦隊モノはどうでしょうか?これは特撮であり、プリキュア同様5~9名のヒーローが力を合わせて戦うストーリーはほぼ固定です。正義と悪がはっきりしており、大変わかりやすい特徴があります。

これらに対して、仮面ライダーは、大人社会のどろどろとした人間関係が描かれていることが多いです。妬みや裏切り、個人主義など、正義であった人がいつの間にか悪になっていたりと、人間を多面的にとらえており、幼稚園年少やそれ以下には少しわかりにくいストーリー展開が特徴です。
娘がどっぷりはまっているように、仮面ライダーはこれまで以上に幅の広い顧客層をとらえようとしているように思われます。

インターネットの社会においては、以前より、仮面ライダーや戦隊モノのアイテム等の情報を伝える、マニアックな動画は以前よりありました。これらのYoutuberは大抵一人で、商品の解説などをおこなうことが多く、マニア受けする知識の豊富さで人気を維持しております。
しかし、最近新たな動きが発生しているように感じております。昨年10月に仮面ライダーエグゼイドが始まったころから、一般のファンが、仮面ライダーに変身して戦うような動画が増え始めてきました。さらには、今年になって、おそらくが男の子の母親と思われる方が動画編集をおこない、Youtuberとなり情報発信するケースが増えております。ここには新しい時代の変化の流れを感じることができます。

かつて社会は、男が外で稼ぎ、女性は専業主婦として働くのが当たり前の家族の形として定着しておりました。
やがて女性の社会進出が進み、男たちの給料だけではやりくり困難となった家庭の主婦は外に働きに出る選択をするものが増えてきました。
昨今、企業において「副業」を認めるようになっている会社が増えております。これは、「会社だけでは安定した収入を支払うことができないので、どうぞ外で働いてください」このようなからくりがあってのことだと考えられます。

カール・マルクスは資本論において「資本家による労働者の搾取」を批判しました。
会社社会においては、搾取までひどい状態でなくても、経営者側が多くの収入を得て、下の階層の人たちが少ない収入に甘んじることは、経営責任などからやむを得ない部分があるのは確かです。しかし、サラリーマンやOL、アルバイトなど、雇われている身であれば、あまり贅沢は言えませんし、将来経営層になれる人は極々一部の人に過ぎません。

大きな市場が発生するとき、最初はとっても小さな活動に過ぎないことが多いです。
かつては、男のもの、子供のもの、マニアのものであったはずの、仮面ライダーが広く女性を含めて広い年齢層に受け入れられ始めているように感じています。

仮面ライダーのYoutuberを始めた、お母さんたちは新たな時代を開く、次世代の「働き方」のヒントを示しているのかもしれません。金のなる木が埋まっているかしれません。
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